2013年1月14日月曜日

個人クリエイターのマネタイズ環境を促進する8+1の分野

photo credit: Stuck in Customs via photopin cc


今年は、個人クリエイターのマネタイズ環境がより一層整う一年となるだろう。そこで特に注目している8つの分野と主要サービスをまとめておく。


1.商用ストックフォト
商用向け写真、イラスト、映像等の販売マーケット。
一部のカメラマンの作品を取り扱っていた従来の仕入れ販売型から、インターネットを活用してクラウドから収集されるコンテンツをマッチングする仕組みに完全に移行している。インターネットとデジタルカメラの普及が業界構造に大きな変化をもたらしている。
<注目サービス>
PIXTA (日本)
手前味噌で大変恐縮だが、同分野におけるマネタイズプラットフォームとしては、日本国内の先頭を走っている。「海外展開も含めて更なる進化をめざしていきます!」とは中の人=meの声だ。

Shutterstock(欧米)
先日米NASDAQにIPOした定額制販売大手。定額制という販売形式は欧米では主流であるようだが日本ではまだなじみがなく今後の展開に注目だ。


2.電子書籍出版
様々な展望が語られている注目の分野。電子出版に取り組む個人作家の事例をtwitterやブログなどで追っているのだが、彼らの行動は非常に興味深い。
<注目サービス>
Kindle direct publishing (日本・欧米)
言わずと知れたイノベーション的ポジションのサービス。まずはここから始まるといっても過言ではない。

個人作家の事例としてフォローしているのが藤井大洋氏(リンクは彼のブログ"Taiyo lab")。彼の著書であるGene Mapper (ジーン・マッパー)のケースは市場でも話題になっている。余談だが、本人からTwitterを通して直接伺った所、本作が初めて書いた小説だそうだ。これからはこういったクリエイターがどんどん増えてくるのだろう。


3.ハンドメイドプロダクツマーケットプレイス
大量生産、大量消費時代の反動がオリジナルプロダクツへのニーズを高めているのだろうか。それらのプロダクト群の存在はまさにクラウドだが、様々な商品が出品されている。決済や物流機能の支援が需要を引きつけている。
<注目サービス>
Esty(欧米)

言わずと知れたリーディングサイト。世界中のハンドメイドクリエイターの作品が集まっている。クオリティの高さに驚く。
minne(日本)
Peperboy&co. が運営するminne(ミンネ)。可愛いデザインが人気。

その他この分野の関連まとめ(naver)


4.クラウドソーシング全般
既存の取引の多くがクラウドソーシングに置き換えられて来る日も近い?
<注目サービス>
ランサーズ(日本)
鎌倉発のベンチャーということあって個人的には応援している。
Yahoo!クラウドソーシング(日本)
あのYahoo!が参入。果たしてどのような展開が・・・

他に、海外状況に関する参考記事を紹介しておく。(英語)
「5 Reasons Why Your Business Needs CrowdSourcing [Infographic]」
この記事の日本語版(海外クラウドソーシング事情より)
マイクロストックフォト分野からiStockphotoが紹介されているのが興味深い。


5.クラウドファンディング
個人的なプロジェクト立上げに際し、ソーシャル上で資金調達が可能になる道を開いたのは素晴らしいこと。うまく機能することができれば、クリエイターにとって創作活動に専念できるメリットは計り知れない。また、クラウドファンディングと関連するマーケットプレイスなどを併用して、継続したコンテンツの販売を通して如何に収益を最大化できるかが課題だ。
<注目サービス>

Readyfor (日本)
日本初のクラウドファンディングサイト
Campfire (日本)
話題を作るのが上手な印象。

Kickstarter(欧米)
海外NO.1サイト。ありとあらゆる案件が集まっている。WIREDの記事「3億ドル強を集めたKickstarterの2012年」によれば、なんと2012年では3億ドル強(約270億円)分の案件が集まっているそうだ。眺めているだけでもあらゆるニーズが顕在化していて面白い。

そして、日本にはまだ見られない動きだが、米国ではクラウドファンディングで成功したプロダクトを継続的に販売していけるTinylightbulbsというサイトが登場している。資金を調達してモノ作っておわり、では悲し過ぎる。継続して収益につなげることが大切だと思う。詳細はこちらの記事を参考にして欲しい。
クラウドファンド製品をブームで終わらせないECサイトTinyLightbulbs


6.スキル提供型
自分のスキルや知識を売買するサイト。海外では特定スキルに特化したサイトも注目されている。趣味で追求した分野がマネタイズの対象になる可能性を秘めている。
<注目サービス>
Skillshare (欧米)
ココナラ(日本)
『一人ひとりが「自分のストーリー」を生きて行く世の中をつくる』という同社のビジョンには非常に共感している。
Teachers pay teachers (米国)
教材や教育計画などが販売される。授業計画を70万ドルで販売した事例もある。
gengo (日本・欧米)
翻訳に特化している。以前仕事上でも活用した経験があるがかなり精度が高い。


7.決済支援
個人が自分ブランドを展開しながら決済機能を持てることができるサービス。マーケットプレイスの利点の一つは決済を代行してもらえる事だが、カテゴリを定めずに何でも売れる自分商店の実現を可能にする分野には注目だ。
<注目サービス>
Gumroad (欧米・日本語対応)
かなり話題になったので記憶に新しいのではないだろうか。

8.個人メディアの構築
ブログに代表されるメディア運営。スタンディングアウトだってマネタイズのポテンシャルはあるはずだ(よね?)。ポテンシャルは誰にでもある!
(注目ブロガー)
Publickey (前回のエントリーでも紹介したブログ)
ihayato.news
他にも沢山存在しているだろう。彼らはマネタイズのノウハウを積極的に公開・発信しているので、是非参考にしてみてはどうだろう。

+1.ソーシャルサウンド市場
まだ良く把握できていないが、DTMなどの制作環境がかなり改善されてきているので、新しいタイプのクリエイターの参戦がマーケットへの影響が始まってくるのではないかと注視している。
(注目サービス)
SoundCloud
つい先日登録してみた。世界中のプロ・アマの素晴らしい音楽が聞き放題。関連業界について参考にしているブログ「SOCIAL SOUND SCRAP

現状としては概ねこの8+1の分野を中心にアンテナを張っている。これからもどんどん新しいサービスが出てくるはずだし、分野が重複しているサービスもある。そういう意味ではカテゴライズの変更や注目サービスの入れ替えにも対応していかなくてはならない。

そして、こうやってまとめてみると、企業に勤めることだけが人生ではないという世界が着々と進んでいると感じる。この勢いはしばらく止まらないだろう。

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